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#7_あなたは読むか読まないか?取扱説明書について語る会

モノを手にすると付属してくる、取扱説明書。

通称トリセツ。

モノとトリセツは、切っても切り離せない。それがトリセツ。

あなたはトリセツをきちんと読む派ですか?

それとも全く読まない派?

ちゃんと保存する派?

すぐに処分しちゃう派?

私達のオシゴト=ノベルティ制作においても、毎回ついて回る、トリセツの制作。もしかすると、すぐに捨てられてしまうモノなのかもしれないけれど、何かあった時にこの紙があるのと無いのでは実は全く違う。製造元として伝えなくてはいけないお決まりの文言にはじまり、操作方法やメンテナンス方法、不安を解消してくれる疑問点…全てを丁寧に説明してくれている大切な紙。ペライチ、トリセツなどと呼ばれて粗末な扱いをされがちだけれど、人の手に渡るモノについて回る大切なモノ。

今回このトリセツについて、ノベルティの制作に日々携わっている、弊社、品質管理・営業・購買・デザイナーのオールスターメンバーで、「トリセツのあるべき姿」「未来のトリセツ」について議論しちゃおうではありませんか。


たかが取説、されど取説。

トリセツ作者の真髄はリスク回避にあった。

ー まずは弊社、品質管理部の総本山、Mディレクター(以後、MDと表記)、普段のトリセツの取り扱いについて教えてください。

MD:自分は営業が持ってきたものに必要な文章を付け加えたりする作業を日々行っています。過去のトリセツのデータの蓄積があるので、こちらが全て作ってあげてもいいんだけれど、書く事がイコール勉強になる事も多いと思って、教育の一環で作らせてますね。トリセツってリスク回避なんですよ。間違った使い方をしてしまうとクレームになってしまうので、取り扱いの方法を細かく記載していますね。トリセツに書いてあったら指摘できるけど、書いてないと指摘できない。記載があればクレームに対してハッキリと答えられるというメリットがありますね。

企画H :  実はトリセツって何が書いてある?って聞かれて答えられる人って少ないと思うんだけど、書いてある項目って『使い方』『注意点』『素材』『原産国』あたりですよね。

タオルのトリセツ一例↓

MD:一番に伝えたい事は、禁忌事項。つまり、やってはいけない事。例えば、洗濯時に色移りをする可能性がある!なんていうリスクは最優先で表記しますね。あとは材質とか大きさなんていうのは、基本的な表示内容なので家庭用品品質表示法に従って記載しています。ここは法律に絡んでくるから書かなきゃいけない。

デザイナーW:モノによっては、版権が絡んでくるものもありますよね。そういったモノが『オフィシャルプロダクト』であるという証明も必須記載事項ですよね。

MD:そうですね。忘れがちなの。クレジット。商標登録など、記載内容に意識が行ってしまいがちですので、製造側としては気を付けたい所ですよね。

デザイナーS:文言が多いときは、作成から入稿、アウトプットまで緊張の連続。間違いがないかどうか、ハラハラします(笑)


トリセツを読まないあなたへ!

読めばわかる。あなたが知らない世界への近道。

デザイナーW:うちの場合、営業がモノの進行に気を取られがちで、最後の最後で『すみません!トリセツ忘れてました~!!あしたまでに入稿なんです!!』っていう駆け込みが多いですよね。トリセツって、雑な扱いされている可哀そうなヤツだなって思います(笑)とはいえ、結構大切に読まれていたりもするんですかね。僕はトリセツはあまり読まずに、さっさとモノを触ってみるタイプですけども。

ー皆さん、取説読む派ですか?

 

(読む派が多数!)

 

デザイナーW:え!!!そんなにみんな読みます!?自分は電化製品ですら読まないですよ。まずはいじってみてわからなかったら開きますね。(同席した女子3名も同様)

デザイナーS:僕は読む派ですね。機械類は読んだら本当に色々なことが書いてありますよ。感覚操作の時代だからこそ、トリセツをきちんと読み込むことで、分かることがあります。知らない、分からないだけで機能の持ち腐れ。トリセツって読まないと勿体ないな、って思いました。

MD:先日、僕も同じような体験しました。久々にマイカーに乗ったんです。車のトリセツってこんな分厚くって。でも読んだら本当に色々なことが詳しく書いてあって、快適に使える機能を何個も発見しました。

企画H:クルマは特に消費者に伝えたい注意は多そうですよね。今ってトリセツはネットでデータ化されていて、古いものもすべて検索できる便利な時代ですから、紙媒体のトリセツって無くなってもいいような気がするけど、でも紙媒体だからこその良さもありますよね。

デザイナーS:辞書と一緒。紙媒体だと周辺語録が見られるところがいいですよね。デジタルだと必要な情報にはダイレクトに飛べるけれど、検索をしないページは知らないままっていうデメリットがありますよね。あとは、先日、ベビーカーの操作方法を知るのに、動画のトリセツがあってとっても助かったんです。イラストだけでは分からないものも、動画なら簡単に分かることってあるな、と痛感しました。

例えば動画を見れば、ボタンを押す強さとか、感覚的な情報もわかって。

ー確かにそうですね。トリセツの進化系は動画での情報配信かもしれないですね。


トリセツにもっと温もりを!

動画に擬人化、縦読みに手書き風・・・まだまだ可能性を秘めている。

営業U:私昔から好きな取説があるんです。LEGOのトリセツなんですけど。ビジュアルのトリセツが好き。文字がひとつも入っていないんです。一生眺めていたい。小さいころもずっと大切にしていました。

デザイナーS:斜め45度のパースが効いていイイですよね。

企画H:言語を介さないグローバルなトリセツはIKEAですよね。言葉での説明のないトリセツの代表ですね。

ートリセツに面白さを見出すためにはどんな方法があると思いますか。

デザイナーS:大抵トリセツは、印刷色は『スミ1C』って言われているけど、それって特色でもいいのかな、特色の範囲で濃度を変えて見せ方を素敵にできないかな、と考えたりしてます。

一同:おお~!(細やかな対応に関心)

デザイナーS:トリセツらしく目立たず、大人しくしていることもできますよね。

企画H:そこに価値を持たせられたら進化系ですね。以前、トリセツが手書き風だったんですよ。お礼状みたいに。あとは縦読みで文字が浮かび上がったり。動物目線のものもありました。
目的はトリセツなんだけど、そこにそのブランド「らしさ」や「読みごたえ」があると、制作物としての可能性を感じて面白いですよね。

デザイナーS:人格いれたトリセツなんでのもいいですね。キャラクターの話し方を反映した言い回しとか。「読んでくれよな」とか。

営業T:推しが言っていたらワタシ必ず読みます!!


トリセツの本音 配布から
何年も経ってからの問い合わせ対応、、、、。

 

(古いトリセツは正直なところ捨ててほしい、、、)

営業U:先日、数年前に納品した商品の不良の問い合わせが来たんですよ。交換対応したいけれど当時すでに納品及び配布は終わっていて、モノがもうないし、経年劣化もあるので、今更、不良品と言われても、、、複雑な気持ちになりました。

企画H:確かに。できれば問い合わせの賞味期限つくりたいですよね。うちの場合、問い合わせ先に社名も出しているし、何年経っていても、お客様が問い合わせてくることはできますよね。数年も経て保管されていて、単純にありがたいなという気持ちもありますね!(笑)ノベルティ類では、キャンペーン期間に応じて対応期間の想定となりますが、お問い合わせいただいた時点でも可能な範囲で不明点等が解消すればいいですけどね。物理的に難しい内容となってしまうと、気持ちに寄り添うことしかできないことが多いです。

古い取説を保管しているアナタ、断捨離のタイミングかもしれませんよ。

 

以上現場からお伝えしました!

 

Writing by Terunuma

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