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第1回 ノベルティの可能性~行動経済学の事例から~

 

みなさん、キャンペーンと聞いてすぐに思いつくキャンペーンはどのようなものが思いつくでしょうか?

最近、もっとも話題になったキャンペーンは、PayPayさんがおこなった「100億円あげちゃうキャンペーン」かなと思います。

このキャンペーンはPayPayを使って決済した場合20%還元するという、すごく大盤振る舞いなキャンペーンで、利用した方も多いのではないでしょうか。

このキャンペーンの効果は絶大で、キャンペーン前にアプリを起動したユーザーは104万人程度だったのが、2018年12月には541万人がアプリをダウンロードし、スマホ決済サービスの中で、シェアが2位まで急上昇しました。

 

(引用:Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ) Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年6月度, 17~69歳男女 1,100人) 」

 

■お金がもらえるキャンペーンvsモノがもらえるキャンペーン

そして、このPayPayを皮切りに、お金やポイントプレゼントキャンペーンが目立つようになってきていると感じております。

この記事を書いている2019年8月27日現在で、LINEポイントプレゼントキャンペーンだけでも21個ほどあり、飲料メーカーをはじめ、家電メーカー、小売業、通信事業などがキャンペーンを実施しています。

ちょっと前までは、キャンペーンと言えば、ノベルティグッズが主流だったのですが、IT技術の進化により、キャンペーンもデジタル化の波が押し寄せてきてます。

確かにポイントをもらえると嬉しいので、自分もついつい買ってしまいます。しかし、お金がもらえるキャンペーンとモノがもらえるキャンペーンで、どちらの方が企業イメージに好影響を与えているのでしょうか?

 

■「潜在意識」の観点からみるキャンペーンに対する影響

キャンペーンに対する影響をみる場合、通常はアンケート調査を行うことが多いのですが、この場合は、顕在化した意識の範囲での影響をみることになります(因子分析などを絡めることで、潜在意識を取ることも可能ですが)。なので今回は趣向を変え、潜在意識の観点からキャンペーンに対する影響を推測したいと思います!

では、「潜在意識なんてどうやって見るんだ!?」と思いますよね。

潜在意識を見る上で、最近研究が進んでいる行動経済学の観点を取り入れたいと思います!(自分が勉強中ということもあり)

行動経済学とは、簡単にいうと「人って合理的ではないよね」というところが前提となっており、「じゃあ合理的でない、人はどのように意思決定を行っているの?」を研究する学問です。(えらそうなこと書いておりますが、自分も勉強中です)

そして、お金vsモノの影響を考えるにあたり、私が読んだ行動経済学の本の中に面白い事例があったので、ご紹介いたします。

 

■行動経済学で定義される2つの世界

人は「社会規範」「市場規範」の2つの世界で生きていると書かれています。

「社会規範」とは、簡単にいうと友だち同士の関係性のことです。つまり、「友人からお願いされたら無償でその友人をお手伝いする」という見返りをすぐに求めない社交性の世界のことです。

一方で、「市場規範」とは、見返りがすぐに必要な関係性のことです。つまり、「いくらかお金をあげるから、これをやってくれない?」という市場性の世界のことです。

そして、この本には社会規範の世界に市場規範を持ち込むと、嫌われてしまうということも書かれています。

 

■事例でハラオチ、感謝の想いを伝えるのは…

どういうことかというと、例えば、

『ある人が義理のお母さんに招待されたクリスマスパーティーに参加しました。おいしいご馳走などを頂き、とても満足し、この感謝の気持ちを表現したいと思いました。そして、その人が財布を取り出し、「お義母さん、この日のためにあなたが注いでくださった愛情に、いくらお支払いすれば良いでしょうか?1万円でしょうか?3万円でしょうか?」と言いました。』

この瞬間、みなさんも想像しているとおり、場は凍りつくでしょう。

しかし、例えばワインなどのプレゼントであればいかがでしょう?

プレゼントであれば、お義母さんや周りの人からも喜ばれたはずです。

なので、感謝を伝えるのには、お金よりもモノなどのプレゼントの方が想いは伝わりやすいということです。

これから人口が減少していく中、企業としても自社のファンを作っていくことが大事になってくると思います。その中で、モノは企業と消費者の間に社会規範の繋がりを作り、ファンになってもらうための一番のツールになるかと思います。

【結論】

・モノはお金より「想い」が伝わる。なぜなら人間は合理的でない意思決定をするから。

・すなわち、プロモーションにおけるモノは、「想いを伝える」ために有用

 

かなりまじめなお話になってしまいましたが、モノの可能性はまだまだあると感じて頂ければ幸いです。

以上、MonoLabo第1回でした。

(参考:「予想通りに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」 ダン・アリエリー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2013))
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