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#7_繊細で先進な『熊野筆』

 

日本のホンモノについて語る、第6弾です。
今回は化粧筆としても有名な熊野筆についてせまります。

伝統ある工芸品は、有名な賞の記念品として贈られたり、世界会議の記念品として採用されたりすることをきっかけに、話題が高まり人気がUPすることも多いアイテム。
熊野筆は、2011年になでしこJAPANが国民栄誉賞を受賞された際の副賞、そして2016年のG7伊勢志摩サミットの記念品となっていることでも有名です。

伝統や技術を誇るホンモノたちはいろんな土地ごとにたくさんあります。「日本を代表する」というシーンに登場=記念品の採用は、多くの人に知っていただくきっかけのひとつですね。
ちなみにモノづくりオタクな私にとって、いいモノを知ることは単純に楽しいこと。そしてこの魅力的なモノたちをいろんな人に知ってもらいたい!モノならではの実感や豊かさをお伝えしたい!
こんな気持ちをこめて、今回もはりきって紹介していきたいと思います。

■筆のあれこれ!

まずは、用途の分類からお話します。
・毛筆
・画筆
・化粧筆
学問、芸術の筆記具として、そしてお化粧にマストな筆。
インクなどを吸い上げて書す・描くための、伝統的な道具であり、細やかなこのタッチ・味を出すためには他の何かに代替えできない道具です。
フワッと、スッと、そして、グッと、力加減によって表現が決まる
世の中にいろいろな「道具」ってありますが、筆は表現や扱いにおいて繊細さナンバーワンといえるのではないでしょうか。

そしてこの筆に使われる原料について。
・獣毛:ヤギ、ウマ、シカ、タヌキ、イタチ、ネコ、ブタ、リスなど
・人工毛:化学繊維(PBTなど)
伝統的工芸品「熊野筆」としては「獣毛」が規定となりますが、近年は耐久性の強さと材料の安定供給のメリットのある「人工毛」を使用した筆も製造されています。

原料の選定は、用途に合わせて特性を生かしたものが使われます。
たとえば、柔らかさが必要なフェイスブラシには山羊・リス、耐久性が求められるファンデーションブラシには鼬(イタチ)・化学繊維など。
愛用されているブラシなどがあれば、特性が使用感にそのまま表れていると思います!

 

【生産メーカーにインタビューコーナー!】

ここで、熊野筆メーカーの晃祐堂 土屋社長にインタビューさせていただきました!

ー「筆」を作るときの技法について教えてください

筆づくりにおいて大事な部分は、材料の選毛と筆の性質に応じて混ぜ合わせる過程になります。目と指先の感触を頼りに、丁寧に選り抜いていきます。

とくに「さらえ」という工程では振動を与えて毛先を整えていき、これによって「いい筆」になります。
いい筆とは「命毛」があること。水をつけると毛先が透明になる、このまとまりがあることが書き味・使い心地の良さの秘密になります。

 

ー「品質」の差は、まさに技法に直結しているんですね。筆はひとつひとつ作られていることを実感しました。そして高品質もさることながら、「かわいい」商品がいっぱいありますよね!

毛先をハート型にしたり、キャラクターや模様を表現したり、デザイン性の高い商品の開発にも力を入れています。
技術を生かしたうえでの「かわいい」という付加価値で、手に取ってもらえたり選ばれる筆になっていきます。

ーとにかくかわいい!このトキメキ感はめちゃくちゃパワーがあります。

商品開発で言うと、今はSDGsの取り組みも強化しています。
そもそも「獣毛」の活用って、動物の毛を余すことなく使うことなので、生き物の循環の中にあるんですよ。ただいろいろな時代背景のなか、原料としては貴重になっていっているものでもあります。
そこで代用できるものの開発として、植物由来で環境にやさしい「人工毛」も使用しています。パッケージもバガス製を用いていたり、モノづくりでできる環境負荷の低減ですね。さらに、SDGsにおける環境項目以外にも、「文化を持続させる」項目があり、伝統技法を守っていくことも未来につなげていくアクションのひとつになります。

ー新しいことにも積極的に取り組まれているんですね!

工場の体験見学をしてもらうことにも大切にしています。設備として超音波式噴霧器(エアフォース)非接触型で操作できるプロジェクターシステムを増設し、コロナ渦でもみなさまをお迎えできるように整えています。「マイクロツーリズム」地域の魅力の再発見にもつながり、こういった接点でも身近に感じてもらえるようにブランドを発信していきたいと思います。

 

ー手の感覚から生まれるモノづくりの繊細さと、先進的なお取組み!これからの進化も気になります。ありがとうございました!

 

■まとめ 

道具を選ぶときに、値段やブランドやおすすめレビューや、いろいろな情報から判断をすると思います。そして、使用したときに実際に「感覚」によって良し悪しの体感がありますが、「熊野筆」は伝統的な技法から生まれた品質の高さをまさに感じられる道具です。
道具で豊かになること、そして使い心地のよい道具を選ぶ楽しさ。モノの魅力を知ることは、様々な生活やコミュニケーションの場面に、使う楽しさと選ぶ楽しさのきっかけの一つになると思います。

モノを語るうえで、実体があるからこその五感の話は切り離せないと考えているのですが、個人的には、獣毛が大好きで筆は触っているだけで楽しめる癒しアイテムです。これもモノがくれる豊かさのひとつ
みなさんも熊野筆を通してモノの豊かさに触れてみてはいかがでしょうか。

▼取材協力

株式会社晃祐堂 様 
広島県安芸郡熊野町出来庭6丁目6-28
https://www.koyudo.co.jp/


▼『熊野筆』基本情報

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【生産地】
広島県安芸郡熊野町

【商品特徴】
・高い機能性
・デザインのオリジナル性

・SDGsな開発

【コミュニケーションのキーワード】
・上質、本格、ワンランク上、アップグレード
・技術、伝統、歴史
・美容、女性、ビューティ

【採用事例】
物販品
成約記念、周年記念品、インセンティブ、などのギフト
海外向け記念品
キャラクターグッズ

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Writing by Hieda
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