MonoLabo

buzz

どう変わる?withコロナのコミュニケーション方法とは

こんにちは!BuzzMono研究員の今泉です。

最近はどこにも行けないので気になっていたアニメ作品『鬼滅の刃』と『ゴールデンカムイ』を視聴しました。個人的には過去の記事でCoremono研究員の田中さんも激しく推していた『ゴールデンカムイ』の方が好みでした。今年10月から放送開始予定の第3期が待ち遠しい…!

ところでこの『ゴールデンカムイ』に「チタタプ」という肉や魚を刃物で叩いてペースト状にしたアイヌ民族の伝統料理が出てくるのですが、なんとお家でリスのチタタプが楽しめるお取り寄せグルメが話題になっていました。

その場にいる全員で「チタタプ…チタタプ…」と言いながら肉や魚を叩くのがアイヌ民族の決まりだそう。みんなで取り寄せてリモートチタタプしながら食べたら絶対ヒンナヒンナですね!(ヒンナとはアイヌ語で食事に感謝する言葉)

 

さて、世間ではついに全国的に緊急事態宣言が解除されましたが、コロナウイルスの影響は完全に去ったとは言えず、世の中もこれをきっかけに大きく変わろうとしています。「新たな生活様式」という言葉に象徴されるように人々の行動や考え方も大きく変わるでしょう。

そんな中で友人同士、あるいは消費者と企業のコミュニケーション方法にも変化が生まれてくることが予想されます。既にこれまでにはなかった方法を取り入れた事例が次々生まれています。今回はそんな事例から今後のコミュニケーションの在り方を探っていきましょう。

 

進化するリモート活用法

外出自粛による最も大きな変化といえば、やはりリモートによる飲み会や会議が当たり前になったことではないでしょうか。実際に会えないリモートだからこその手法がどんどん生まれています。

「リアル脱出ゲーム」を手掛けるSCRAPはZoomを使ったリモート脱出ゲームを提供。実店舗での脱出ゲームはどうしても3密を避けられないため休業を余儀なくされている中で生まれたリモート版ゲームですが、むしろ「他人に的確な指示を出してもの動かすという要素が加わり、店舗で遊ぶよりもコンテンツに戦略性が増した」というのです。同社にとっても思いがけない発見だったことでしょう。

 

リモート会議システムを使った遊び方はたくさん生まれていますが、中でも「リモート遊びの現時点での完成形なのでは…?」と感じたのが山口情報芸術センター[YCAM]が主催した「未来の山口の運動会」です。なんと完全リモートで運動会を実施しようという取り組み。

競技も家の中ならではのものから運動会らしく身体を動かすものまで、リモート会議システムをフルに活用しています。これを見ると、たとえ外に出るな!と言われていても楽しもうという気持ちさえあれば何でもできちゃうんだな、と感じます。人間の適応力すごい…!

オンライン運動会種目の作り方という資料も公開されていたのでオンラインで運動会を開く際はこちらも参考に。

オンライン運動会種目の作り方はこちら

 

「ならでは」の手法でリモートの楽しみ方を提供するのはZOZOTOWN。リモート会議での定番の楽しみ方として「バーチャル背景」がありますが、ファッションにそれを活用。緑色のTシャツ、その名も「GREENBACK TEE」を着ることで色々な柄を合成して楽しめるというわけです。

これ実態としては何の変哲もない緑一色のTシャツを販売しているだけなんですが、その手があったか…!と思わず唸ってしまう取り組みです。そして見せ方のかっこよさはさすがZOZOTOWN。

 

リモートでの会議や飲み会が今後当たり前になっていくと考えると、システム側の技術や機能もこれまで以上のスピードで開発されていくでしょう。そのハードの進化にしっかりついていくことが消費者とのコミュニケーション手法を考える上でも大切になってくるのではないでしょうか。

 

コンテンツの作り方が変わる

映画や演劇などコロナ禍で大きな打撃を受けたのがカルチャーです。それでも作り手の皆さんはこの状況で出来ることを考えて、コンテンツを生み出してくれています。

2017年に大ヒットした映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督は完全リモートで制作された短編映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』をYouTubeで公開しました。

 

またアイドルグループのでんぱ組.incは新曲『なんと!世界公認 引きこもり!』のミュージックビデオを企画から制作まですべての工程を8日間のテレワークで完成させました。

楽曲の制作過程をTwitter上で公開、テレワークで楽曲レコーディング & MV撮影が行われました。Twitter上でハッシュタグ「#でんぱ新曲作るんさ」でファンから寄せられたコーラスデータ、イラストや写真・動画が使用されており、メンバー、クリエイター陣、ファンが一丸となり作り上げた作品になっています。

これぞwithコロナ時代の作品作りって感じです。

 

コロナきっかけで生まれた活動の中でも私が特に気になっているのが、稽古から上演まで1度も会わずにZoom演劇を創作するリモート劇団「劇団ノーミーツ」です。

この劇団は実際に2時間以上の長編公演をZoomで配信。公演はもちろん録画ではなく、公演時間に合わせて役者がそれぞれのカメラの前で生で演技をしていたそうです。コロナで大きな打撃を受ける演劇業界の光となるかもしれません。今回私は公演を見られなかったのですが、次の機会があればぜひ見てみたいと思います。

ちなみにこの劇団ノーミーツは早速CMにも起用されていてその注目度がうかがえます。

 

作品と消費者との関係でいうと、先ほどのでんぱ組.incのMVのように作り手側と受け手側の距離がだんだんと近くなっていくのではないでしょうか。従来は作り手側から一方的に発信されるものだったコンテンツが双方向のコミュニケーションツールに変わる。その動きがコロナによって加速したように感じます。

 

商品の見せ方も変わる

実際に店舗へ足を運ぶことができない環境で商品の見せ方も変わってきています。

ITサービス企業の日本ユニシスはWEB上でバーチャル住宅展示場「MY HOME MARKETを公開。国内住宅メーカー各社のモデルハウスをVRで体感することができます。

バーチャル住宅展示場の内覧者はサイト上でマイホームの具体的な完成イメージやセルフ見積機能による必要資金の概算を把握した上で、気に入った住宅メーカーに来店予約をして、営業担当との商談を進めることが出来ます。コロナ禍で実際の住宅展示場に足を運ぶ回数をなるべく抑えたいというユーザーの利用が増えています。

さらに「MY HOME MARKET」は楽天市場にも出店しており、楽天サイトの打ち合わせ申込から1年以内に引き渡しまでが完了した顧客には1%のポイントが付与されるようです。2,000万の家を買ったら20万円分の楽天ポイントがもらえるというわけです。なんというコンビニ感覚。お家をネットで買ってポイントがもらえる時代がもう来ています。

 

おうち時間のお供として大ヒットしているのがゲーム『あつまれ どうぶつの森』ですが、ゲーム内で自分だけのデザインを作れる「マイデザイン」という機能があります。これを利用して「ヴァレンティノ」や「マークジェイコブス」などのアパレルブランド各社は2020年の春夏新作をはじめとしたファッションパーツを配布しています。

どうぶつの森の中では他にも世界の美術館が名画の画像を配信するなど、リアルとの連携が進み、まさに「もう一つの世界」といった様相を呈しています。そう遠くない未来に仮想現実での商品販売も当たり前になるかもしれません。

 

最後に、コロナ禍ならではの商品化事例をご紹介。4月の中頃にこんなツイートがバズりました。

ウイルスのイラストが印刷された透明シールで、貼るとそこにウイルスがたくさん付いているかのような感覚に。脳が勝手に手を洗えと命じてきます。

この素晴らしいアイデアに目を付けたのが文房具メーカーキングジムの公式アカウント。製作者に連絡を取り、本当にコラボを実現してしまいました。テプラ用にこの手を洗いたくなるシールのデザインを公式サイトから無料でダウンロードすることができます。

元ネタであるツイートの投稿からコラボ実現までわずか1か月!このスピード感はSNS全盛の時代ならではです。また前述のでんぱ組.incの事例と同じく、こちらも企業と消費者の距離が近くなったからこそ生まれたもの。モノという視点でも環境は大きく変化しています。

—–

今回紹介した事例が新たなコミュニケーション手法として根付くのか、それとも一過性のものなのかは現時点では分かりません。ただ大きな流れとして変化のタイミングが来ているのは間違いないと思います。MonoLaboではこれからも時代の変化を追いかけていきます。

それではまた!

BACK

New Post