ママの等身大パネルを作ってくれるキャンペーンに当選したのでママが印刷される瞬間に立ち会ってきた
こんにちは!BuzzMono研究員の今泉です。
今回のBuzzMonoはいつもとちょっと趣向を変えて、とあるキャンペーンの一部始終をレポートをお届けします!
早速ですが、昨年の12月に話題になったこのツイートをご存知でしょうか。
うちの1歳児、お母さんが視界から消えるとすぐ泣いちゃうので、大変。
その対策として「等身大パネルの母」を設置するとどうなるか実験してみた。
(つづく) pic.twitter.com/VOgy1619G0
— 佐藤ねじ🌲ブルーパドル (@sato_nezi) December 8, 2019
面白い企画を次々生み出すプランナーの佐藤ねじさんがお子さんのために奥さんの等身大パネルを製作したツイート。
母親の等身大パネルを作れば、お母さんが見えなくなるとすぐ泣いてしまう子どもにも有効なのでは!?という佐藤ねじさんのアイデアから生まれた企画です。等身大パネル自体は映画館などで誰もが見たことがあるものですが、このツイートを見たとき思わず「そんな使い方あるのか!!」と膝を打ちました。
結果的には20分くらい気付かれなかったということで、トイレなどちょっとだけ子どものそばから離れる時に重宝しそうです。
実はこれ、店頭の販促什器などを手掛ける株式会社リンクスと佐藤ねじさんの共同企画だったのですが、ツイートが話題になったことを受け、株式会社リンクスは等身大パネルのプレゼント企画を実施しました。
弊社でパネル制作し話題となった「等身大パネルマザー」
私も作りたい! と多数の声を受けまして、
限定5組ですが 無料でお作りします!応募方法:「等身大パネルマザー応募希望」と書いて、
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締切:12/23
↓ ↓https://t.co/UryQpi96Vw https://t.co/ikYqCc5YHJ— 【公式】株式会社リンクス (@Links_POP) December 16, 2019
筆者にも2歳と0歳の子どもがいるので、これはぜひ欲しい…!と思い個人的に応募してみました。すると…
なんと当選しました!めちゃくちゃ嬉しい!!
こんな機会がないと身内の等身大パネルなんて作らないので貴重な経験です。これはぜひ製作現場に立ち会いたい…!
きっかけは「ビックダミー」の聞き間違い
というわけで岐阜県関市にある株式会社リンクスの本社にやってきました。

工場も併設されています

お話を聞かせていただいたのは今回のキャンペーン担当である田口さん
株式会社リンクスは、もともと関市の地場産業である刃物の紙箱(パッケージ)を作っていましたが、その刃物を店頭で陳列する什器も作れないかという依頼をうけたことで店頭什器の分野にも進出、今では店頭の販促ツールが事業のメインになっています。

こちらはリンクスのオリジナル主力商品「スタンドPOP POPA(ポパ)」

平らな状態で配送できるのに3秒もあれば組み立てられる手軽さが最大の特徴です。商品が陳列できる「什器タイプ」も多数開発し、色々なメーカーに採用されています。
早速、今回のキャンペーンについて伺っていきましょう。
ーー最初に今回の等身大パネルキャンペーンのきっかけを教えてください。
佐藤ねじさんと今回の件とは全く別件でお仕事をすることがあり、その時にアイデアの出し方、発想の膨らませ方をレクチャーしていただく機会がありました。そんな中で販促什器の一つであるビッグダミーを紹介した時に、ねじさんが「ビッグダディ」と聞き間違いをされました。

商品の形状などを模した大きなサイズの什器をリンクスでは「ビッグダミー」と呼んでいます
ーーこの企画のきっかけは聞き間違いなんですね(笑)
そうなんです。それでダディよりマミーがいいよね、ということになり、「ビッグマミー」が生まれました。会社としてSNSでの発信に力を入れ始めたタイミングということもありTwitterでのキャンペーン実施に至りました。
ーーどこから企画が生まれるかは分からないですね。
はい、私たちは設計やデザインも社内でやっているのでお客様から依頼されたものを形にするという部分では手前味噌ながらそこそこできると思っていますが、「お客様が思いもしないものを発想する」という部分は弱いと感じています。その部分をねじさんから勉強させてもらっている中で生まれた企画ですね。
ーーこういう企画の部分はやはり強化していきたいですか?
もちろんです。ただ、簡単に思いつくものではないですよね…。店頭で目立たせるにはいかにインパクトを残せるかですが、耐荷重やサイズ、コストなど色々な制約がある中で、新しいものを生み出すのは本当に大変です。

ちなみに今POP業界でアツいのは棚のエンドではなくサイド(黄色い什器がかかっている部分)とのこと。コンビニなどではこのサイドの売り場争奪戦が起こっているようです。
ーーこういう企画をSNSでやるのは初めてですか?
はい、初めてです。取引先の方が「Twitterのキャンペーン見たよ!」とおっしゃってくれて嬉しかったですが、それよりもなによりも多くの方が「私も等身大パネルほしい!!」とSNS上で反応してくれたことが一番嬉しかったです。
ーー現在進行形で子育てをしている身として、あれは本当にあったら良いなと思いました。当選して本当に嬉しかったです!
ありがとうございます。当社の社名である「リンクス」には、メーカーとお客様あるいはお店とお客様をつなげる、リンクするという意味が込められているのですが、今回のキャンペーンもまさに等身大パネルを通じてネットのユーザーと当社がつながったのだと感じています。
ーー偶然当選して、こうして取材をさせてもらっているのも不思議なつながりを感じます。
製作する数によって変わる印刷方法
インタビューもそこそこに実際の製作現場を見せていただきました。
最初に案内してもらったのは設計とデザインの部屋。ここは撮影NGでしたが、この部屋で入稿された画像を元に図面を引いていきます。

今回作ってくれる等身大パネルのデータ作成画面だけ撮影許可をもらいました。いつもの格好でないと子どもが怪しむので、ママがパジャマを着た写真で作ってもらいます。
実は、今回の等身大パネルのように1枚だけなど、ごく少量のみ製作する場合と、大量生産する場合でここからの工程が変わります。せっかくなのでどちらの工程も見せてもらいました。
お楽しみは最後に…というわけで、まずは大量生産する場合の工程から。最初に用紙を決まった形に打ち抜くための抜き型「木型」を作っていきます。

まずは設計図データをもとに木の板をカット。

刃の部分はこの刃曲げ機で大体のかたちをつくっていきます。

刃曲げ機で曲げた刃を木の板に合わせて微調整。この木の板と刃が合わさったものが「木型」です。

細かい調整はやはり機械では難しいので人の手で行われます。
この工程は以前は全て人の手で行っていたため、思ったように刃が入らない…ということも多かったのですが、今はデータをもとに正確に木をカットできるようになったことでかなり効率があがりました。一日に生産できる木型の数も増えましたね。
ーーそれでも最後は人の手が必要で調整が必要なんですね。
はい、やはり微調整は必要なので最後は「職人」ということになってきますね。
これまで仕事をしてきた中でも木型の製作工程に時間がかかり納期が長くかかる、ということが多かったのですが、こうやって現場を見るとなぜこの工程に時間がかかるのか実感できます。今後技術が進歩したらいつか人の手が完全にいらなくなるんでしょうか…
木型が出来たら次は印刷と抜きの工程です。

奥に見えるのが印刷機。最大でA0の大きさまで印刷可能。

そしてこれが印刷された用紙を木型で抜いていく機械
画像の奥から手前に向かって用紙が移動します。真ん中あたりで打ち抜かれ、手前に積み重なっているのが打ち抜かれた後の用紙です。リンクスではこの打抜機(トムソン機)を3台使っています。

真ん中の画面が付いている部分の下に木型が設置されており、この部分が上下することで打ち抜かれていきます

これが打ち抜かれた用紙。用紙から完全に切り離されるわけではなく一部繋がったままの状態なのでこの後手作業で用紙から取り外していきます。

カットしたものを最後に箱詰めして完成!(プライバシー保護のため一部画像を加工しています)
印刷される奥さんにご対面
さて、ここまでは大量に生産する場合の工程を見てきましたが、次は少量を製作する場合の工程です。いよいよ奥さんの等身大パネルが印刷される瞬間に立ち会います。緊張してきた…!

少量の印刷に使うのはこのインクジェットプリンター
木型を作る作業は先ほど見ていただいた通り手間がかかるので少量の製作には適しません。数が少ないときにはこのインクジェットプリンターで印刷してカッティングする方法を使います。このプリンターは最大2mくらいまで印刷できるんですが、その大きさの用紙がないんです(笑)

今回は5㎜厚のスチレンボードに印刷します

画面上に映し出されたデータがそのまま印刷されていきます
せっかくなので出力される瞬間は動画でどうぞ!速度は実際の3倍速です。
おおおお…!!!奥さんが出力されてきた!!
ちょっとした感動もありますが、めちゃめちゃシュールです。「いったいどうしてそんな姿に…!」と思ってしまいます。まぁ自分が入稿したからなんですが。

できあがりました。存在感がすごい。

工場内を運ばれる妻

印刷の後はこのカッティングマシーンで裁断していきます

はい、抜かれました

あとは段ボール製の脚をつけたら

完成です!
インクジェットプリンターで印刷を開始してからわずか30分で奥さんの等身大パネルが完成しました。かなりあっという間に感じましたが、1枚だけ作るのに30分と考えるとそれなりの時間です。やはりたくさん作るときにはこのやり方ではだめで、一見手間がかかるようでも木型から作って一気に印刷と打ち抜きをしていった方が良いことが分かります。
それにしてもなかなかのクオリティです。最近は結婚式で「ウェルカムボード」として新郎新婦の等身大パネルを作る方もいるそうで、確かにこれが入り口に置いてあったら盛り上がること間違いありません。まだまだ面白い使い方が出来そう!

並ぶと意外とパネルだと分からないかも?
最後に「モノ」に関しての話も伺いました。
ーーモノの力でこうしていきたいということがあれば教えてください。
世の中のデジタル化が進んでいったとしても、お店というものはなくならないと思っています。先ほどもお伝えしましたが、当社はメーカーとお客様、お店とお客様をつなぐお手伝いがしたいということでリンクスという社名がついています。その名前の通り、販促什器の力で商品の魅力を少しでも多く伝えていきたいと思っています。
ーー今回のキャンペーンで販促什器にもまだまだ可能性があるなと感じました。
はい、無機質な時代だからこそ等身大パネルを見ると不思議とにこやかになるじゃないですか。今回はお母さんのパネルでしたが、例えば車とか住宅の営業さんの等身大パネルを作ってもいいかもしれません。それだけで話のきっかけになりますし、知ってる人がパネルになってるのを見ると何となくホッコリしますよね。
ーーまさに人と人のつながりを作るためのツールですね。
単にモノを売るだけじゃなくてそういう風に人を温かい気持ちにさせることもひとつの販促なのかなと思っています。
テレビCMなどと比べると販促は消費者に直接アプローチするものなのでどうしても売上至上主義になりがちですが、消費者に近いからこそ「人を温かい気持ちにできるかどうか」は大事な要素です。SNSなどで誰もが情報を発信できるようになった今はその重要性がどんどん大きくなってきていると感じます。
今回のリンクスの等身大パネルキャンペーンはまさに人を温かい気持ちにさせてくれる内容でした。改めて言わせてください、人の笑顔を作る仕事っていいなー!
「ビッグマミー」の効果はいかに…
さてさて、気になる等身大パネルの効果ですが…
工場見学をさせてもらった4日後に等身大パネルが我が家に届きました。

家にあると工場で見た時より存在感がすごい!奥さんでかいな…
朝起きてパネルを見つけた瞬間、2歳の娘は「ママー!」と叫びながら笑顔になりました。さすがに2歳になるとパネルだとは認識していますが、見慣れぬ母親のパネルに大興奮です。

0歳だと逆に騙せているのかいないのかよく分からない…

でもパネルをみて笑顔にはなっていました…!
2歳だと大きすぎ、0歳だと小さすぎて効果はよく分かりませんでしたが、二人とも笑顔になったので良しとします!!下の子がもう少し大きくなったらちゃんと効果を発揮しそうな気がするのでもう少しリビングに置いておきます。めちゃめちゃ存在感あっていちいちビビりますが(笑)
というわけでとても素敵なキャンペーンでした!
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