JUKI（ジューキ）とジャノメ（JANOME）の職業用（業務用）ミシンはどっちがいいか比較してみた結果
裁縫を仕事としている場合はもちろん、皮革やデニムなど厚物の縫製など
本格的な裁縫をする場合には個人でも「職業用ミシン」が必要となります。
では日本三大ミシンメーカーのうち「JUKI」と「ジャノメ」では、
職業用ミシンの選択肢としてどちらが良いのでしょうか？
ミシンメーカーとしての信用度はJUKIが上？
ミシンメーカーとしての信用度で比較すると、ジャノメよりJUKIの方が上です。
JUKIは、1938年に陸軍に銃器を供給する東京重機製造工業組合として
設立されます。
戦後は銃器の製造を止め、
銃器を作るのに使っていた機械を活用して家庭用ミシンの製造を開始しました。
1953年に工業用ミシンに参入すると、国内外でシェアを広げて、
現在JUKIは工業用ミシンの世界シェア1位です。
ミシン全体の世界シェアでも、
同じ日本三大ミシンメーカーの1つであるブラザーと1・2位を争っています。
ちなみにミシンの自動糸切り機構を開発したのはJUKIで、生産性の大幅な向上に
よってファストファッション誕生のきっかけになったとも言われています。
ジャノメは、1921年に前身となる「パインミシン裁縫機械製作所」として創業しました。
戦時中に音響兵器であるソナーを作っていたこともありましたが、
創業から現在まで一貫してミシンを作り続けています。
家庭用刺しゅうミシンを世界で初めて発売したのはジャノメですが、
ミシンの世界シェアは5位前後でブラザー・JUKIに遅れをとっています。
世界シェアはJUKIの方が大きく、
家庭用ならともかく職業用ミシンとなると信用度ではJUKIの方が上です。
ただ両者とも売上高は単独で300億円超、東証プライム上場なので、
企業規模としてはそれほど大きな差はありません。
どちらも信頼できる日本のブランドです。
JUKIは日本製、ジャノメは海外製
JUKIは栃木や松江にミシンの製造工場を持っており、
栃木県大田原市にある工場がミシン製造の中核を担っています。
JUKIの職業用ミシンを購入すると、
日本で作られたミシンを使うことになる可能性が高いです。
ただし中国やベトナムの工場で家庭用ミシンを作っており、
比較的安価な家庭用ミシンだと海外製を使うことになります。
ジャノメも日本に工場がありますが、日本にある工場は製品開発がメインで、
ミシンは主に中国やタイの工場で製造しています。
家庭用でも職業用でもジャノメのミシンを購入した場合は、
中国かタイで作られたものを使うことになる可能性が高いです。
とはいえいずれにしても自社製品ですから、そこまで気にしなくて良いと思います。
価格が安いのはJUKI
家庭用でも職業用でもミシンは安くありませんから、
少しでも購入費用を抑えたい場合はJUKIがおすすめです。
例えば
・押さえ圧調節
・オートストップ機能付き下糸巻き装置
・自動糸切り
・膝レバー
・糸調子目盛り
・LEDライト
・工業用針
といった機能が搭載された職業用ミシンが、JUKIだと約11万円で購入できます。
上記の機能が搭載された職業用ミシンをジャノメで購入すると、
約18万円かかります。
上記以外の部分に違いがあるので単純には比較できませんが、
同程度の機能であればJUKIの方が安く買える可能性が高いです。
職業用ミシンの種類の多いのはジャノメ
職業用ミシンの種類はジャノメの方が多いです。
機能を絞った比較的安価な機種から高機能で20万円を超える
ハイグレード機種まで全10機種からジャノメでは選べます。
JUKIの職業用ミシンは2機種だけです。
種類が少ないと迷わずに済みますが、
自分の好みや使い方に合った機種が見つからない可能性も高くなります。
初心者ならともかく、
機能にこだわって職業用ミシンを選ぶなら選択肢の多いジャノメがおすすめです。
サポートは甲乙つけがたい
ミシン購入後のサポートの充実度はJUKIとジャノメで甲乙つけがたいです。
JUKI・ジャノメともにメーカー保証は基本1年で、機種によって3年保証となります。
通常使用の範囲内における自然故障のみ保証対象で、
落下や水濡れ、落雷など外的要因による故障は保証対象外なのも同じです。
修理受付は販売店が窓口となっていて、ミシンを購入した販売店が分からない
利用できない場合の専用窓口が設けられている点も同じです。
修理にかかる費用については、部品交換を伴わない修理はJUKIの方が安く、
部品交換が必要な修理はジャノメの方が安くなっています。
初心者に親切なのはジャノメ
サポートに大きな違いはありませんが、
初心者向けのサービスはジャノメの方が充実度は上です。
ジャノメにはミシンの使い方を教えてくれる、有料の訪問教習サービスがあります。
初めての職業用ミシンで十分に使いこなせない場合でも、
ジャノメなら訪問教習サービスで使い方を教えてもらえるのです。
JUKIはミシンの使い方についての講習会は開いているものの、
個別で教えるサービスを行っていません。
まとめ
JUKIとジャノメなら職業用ミシンの選択肢としてどちらが良いか比較しましたが、
今回の比較ではJUKIが有利です。
ただジャノメも悪いわけではなく、
職業用ミシンの種類は多いですし初心者向けサービスも充実しています。
ミシンのレンタルサービスもありますから、
まずはレンタルで実際に使いやすさを確かめてから購入すると失敗が少ないです。
単純にコスパ重視の場合は、世界の縫製業で活躍しているJUKIが良いかもしれません。
